ネジャーリン広場
ここは旧市街の中心地、標高260メートルで旧市街の中で最も標高が低い場所となります。
ネジャーリンとはアラビア語で「家具職人たち」の意味があります。
ここには家具職人の仕事場があり、今でも手作業で椅子や机などが作られています。
広場には美しいモザイクの泉、そしてネジャーリン・フンドクも見ることができます。
フンドクとはアラビア語で「宿」を意味し、一般的にフンドクは3階建てで1階が厩舎、2階や3階は宿泊部屋でした。
このフンドクは18世紀に建てられ、1998年に博物館となりました。
中には農業器具や昔の結婚式に使われた道具などが展示されています。
Amine
フンドクにはこんな歴史があります。
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フェズの旧市街には3種類のフンドクがありました。
１．旅行者が休憩する場所
２．物々交換の場所
３．乳母宿
３つ目の宿はあまり聞いたことがないですよね。なぜ、３つ目の乳母宿が作られたかというと、以下の理由がありました。
・出産による母親の死
・母親の母乳が出にくかったり、栄養が足りていなかったりしたとき
当時は粉ミルクがない時代でしたので乳児を育てていくには欠かせない施設でした。
この施設のボランティアには３つのタイプがありました。
１．神の道のために提供する女性
２．人々のために母乳を提供する女性
３．生活が苦しく収入が必要な女性
そして、同じ母乳を３回以上飲んだ乳児は兄弟となることが決められていました。兄弟になる、つまり同じ母乳で育ってきた場合は結婚が出来ないということになります。
その為、施設の乳母たちはどの子供に何回母乳を上げたかを記録していました。
今は粉ミルクがあるので母乳宿はなくなりましたが、助け合いながら子供たちを大切に育ててきた当時の人々の生き方は素晴らしいですね。
